コグトレってなんで批判されているんだろう?
コグトレは、その人の立場によって思うことが違うみたいだよ。
本記事では、コグトレが批判されている理由についてまとめています。
- コグトレとは何か
- コグトレが批判されている理由
- コグトレに効果はあるのか
コグトレとは、認知機能のトレーニングのことです。
元々は発達に障害のある人向けに開発されたプログラムですが、幼児の早期教育や高齢者の脳トレとしても活用することが出来ます。
しかし、このコグトレを検索すると【コグトレ 批判】と言うワードが目立ちます。
- コグトレは批判が多いの?
- コグトレには効果がないの?
この記事では、そんな疑問を解消します。
- そもそもコグトレとは何か
- コグトレが批判されている理由
- コグトレをして効果があるのかどうか
▼私がこの記事を書くきっかけになった本です。
コグトレとは何か
そもそもコグトレって何かちゃんと分かっていないや。
コグトレは、認知機能を高めるトレーニングだよ。
コグトレを英語に訳すと以下のようになります。
コグ二ティブ(認知)+エンハンスメント(高める)+トレーニング
認知機能とは、
- 記憶
- 言語理解
- 注意
- 知覚
- 推論
- 判断
といったいくつかの要素が含まれた知的機能のことを指します。
人はこの認知機能を使って五感から入って来た情報を処理・整理し、適切な行動を起こします。
では、この知的機能が十分に発達していないとどうなってしまうのでしょうか。
先生が何を言ったのか聞き取れていないのに「はい」と返事をして後になって先生や友人から「あいつはふざけている」などと思われてしまう。
- 相手にその意図がないのに「あいつが睨んできた」「自分のことを馬鹿にしている」などと勘違いして怒りを溜めてしまう。
- 漢字を認識できない。覚えられない。
これらはあくまで一例ですが、実際によく見られるケースです。
つまり、認知機能(見たり聞いたりする力)が弱いと学校の勉強についていく事が難しくなります。
更に、人間関係もうまく築けずに孤立してしまい非行に走ってしまう…と『ケーキの切れない非行少年たち』の著者の宮口氏は言及しています。
五感から入った情報が間違って認知されてしまうと、学習面や人間関係がうまく行かなくなります。
ですが逆に言えば、認知機能を高めることが出来れば生きづらかった人々も生活しやすくなる可能性があるということです。
コグトレは、そんな人々を救う目的で開発されました。
コグトレが生まれた背景
コグトレを開発した『ケーキの切れない非行少年たち』の著者の宮口氏は、
いじめ・性犯罪・殺人・児童虐待。その背景にあるのは認知のゆがみだ。
と述べています。
宮口氏は、少年院に在院する非行少年たちが
- 簡単な図形の模写ができない
- 短い文章を復唱できない
など、認知機能が弱い傾向にあることを発見しました。
認知機能が弱く勉強や運動・日常生活において大変な苦労や挫折を味わってきたことが非行の原因になっているのでは?と考え、彼らの認知機能を高めて生きやすくするために5年の歳月をかけてコグトレを開発しました。
つまり、コグトレは認知機能に弱さが見られる人(子供)を対象に作られたものです。
コグトレの対象者
元々コグトレは認知機能に弱さがみられる小学生の子供を対象に作られたものです。
しかし、今ではこのように幅広く学ばれています。
- 幼児の早期教育
- 小中高生への学習補助
- 高齢者の認知予防
- 統合失調症のリハビリ
- 高次脳機能障害のリハビリ
我が家でも幼児の自宅学習に取り入れています
漢字を覚える前に【形を認識する力】、数字を記号ではなく【量として見る力】を鍛えるコグトレ。
未就学児にとってこれは学習の土台となる!
そう考え、我が家では幼児の早期教育として導入しています。
コグトレが批判されている理由
コグトレはどうして批判されているの?
その人の立場によってコグトレへのイメージが大分変わるみたいだね。
コグトレの批判をしているのは、その人の立場によって全く異なるものだということが分かりました。
例えば、このような批判があります。
コグトレ単体だけでは意味がない。
こう批判するのは、実際に発達障害の方向けにコグトレを行っている方です。
コグトレは確かに認知機能を向上させる一定の効果があるかもしれない。
しかし、それを実際に書字へと繋げるためにはどうすれば良いのか?誰がやるのか?
また、苦手な分野を知れる点では良いかもしれないが、それを克服したり強化したりするのは期待しすぎではないか、との批判です。
また、このような意見も。
コグトレさえやれば犯罪がなくなる!という言い方はいかがな物かと…
『ケーキの切れない非行少年たち』を読んだ人の意見ですね。
この本は、知的障害者は犯罪予備軍だからコグトレをして未来の犯罪者をなくそうという読み方も出来てしまいます。
犯罪を犯してしまうのは認知機能だけではなく環境にも起因します。
コグトレさえやれば犯罪は減るというのは言い過ぎだと思うとの意見があります。
更に、
少年院の更生プログラムをなぜうちの子供にやらせるのか
と批判する声も聞こえます。
これも『ケーキの切れない非行少年たち』の影響だと思うのですが、この本の中に毎日5分のコグトレで犯罪は減るみたいな章があるんですね。
これを読んで、困っている子の助けになればと朝の会などでクラス全体にコグトレを取り入れる学校の先生は少なくないと思うのですが…
コグトレをよく知らない親が「中学生なのにこのカンタンなプリントはなんだ?」→(調べる)→「少年院の更生プログラムとして使われる教材?なんでうちの子に?」
という批判の声に繋がるわけです。
コグトレに効果はあるのか
コグトレは、認知機能のトレーニングに効果があると言われています。
いわゆる脳トレ的な感じで、知的障害が見られない一般の人も楽しくトレーニングすることが出来ます。
でも、それ以上のことは期待出来ないのです。
実際に、コグトレで認知機能が向上してもそれは日常生活の実行機能やワーキングメモリの改善といった応用的な効果は見られないとの専門家の意見もあります。(https://www.additudemag.com/does-adhd-brain-training-work/)
『ケーキの切れない非行少年たち』では、あたかも認知機能さえ高めれば犯罪をしなくなるというような主張にも読んで取れますが、それは違うということ。
ただ、コグトレをによって生き方自体が前向きになる人がいる可能性までは否定出来ません。
コグトレの課題をこなしていく中で自己評価が向上し、勉強や仕事などを前向きに頑張れるようになる。
コグトレの効果
- 認知機能が向上する
- 前向きになるきっかけになる可能性
▼実際に4歳の娘にコグトレをやってみた効果はこちらの記事にまとめています。
コグトレについて理解を深めよう
コグトレとは、認知機能を高めるトレーニングのことを言います。
非行に走る少年たちの認知機能が低いことに気付いた宮口氏が、少年院での更生プログラムとして開発したプログラムです。
- コグトレ単体では意味がない
- コグトレが犯罪を減らすわけではない
- 少年院の更生プログラムを我が子にやらせないで欲しい
コグトレへの批判もそうですが、『ケーキの切れない非行少年たち』での著者の主張に疑問を感じる人も多い印象です。
- 知的障害者は犯罪予備軍であるような言い方
- コグトレさえすれば犯罪は減るとも読み取れる主張
様々な議論を呼んでいるコグトレですが、私は就学前の娘に良いなぁと思ってやらせています。
気になったら是非始めてみてくださいね。
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