長かった妊娠生活。
辛かった出産。
そしてようやく会えた!いくらちゃん!!!
これから始まる新しい生活に胸を踊らせつつ、
(2人目ということもあって)この入院中は体を休めるぞ!と徹底的に自室でだらけきっていた入院中。
突然、新生児室からのお電話。
母子別室の病院だったので、授乳が必要かな?と急いで行くといつもの場所にいくらちゃんの姿はなく。
私の目に飛び込んできたのは、隣の部屋で小児科の先生にエコーをされている小さないくらちゃんの姿でした。
そしてそこで言われたのは、
娘さんの心雑音が聞こえたので詳しくエコーをしてみたら、どうやら心臓に異常がありそうなんです。
頭が真っ白になりました。
『心臓に異常がある』という最初の先生の言葉と目の前の光景ばかりがずっと頭を駆け巡り、
先生が説明しているお話が一切頭に入ってきませんでした。
お話が終わった後、
かろうじて記憶していた
心臓・異常・心雑音・動脈管・カテーテル手術
という単語を自室で検索し、
あぁ、娘は動脈管開存症なのかと確信しました。
【動脈管開存症】という疾患の疑いが出た娘のことを少し記録しておこうと思います。
同じことを言われて悩んでいるママパパさんのお役に立てれば幸いです。
動脈管開存症とは
動脈管とは、胎児の時には必要だけれど赤ちゃんとして産まれてきたら必要のなくなる血管のことです。
普通は生後2〜3日で閉じ始めて数週間で完全になくなるのですが、
これが閉じないまま血管として残ってしまっているのが動脈管開存症と呼ばれるものです。
動脈管があると、小さい体にはとても負担がかかってしまうので手術をした方が良いそうです。
カテーテルでの手術が一般的で、開いてしまっている動脈管にカテーテルをつめます。
生後半年、体重6キロ以上でできる手術ですが、1歳をすぎて体重が10キロ以上になってからやるのが一般的で、小学校入学前までにやるのが望ましいそう。
難しい手術ではないそうで、リスクは少ないとのこと。
命に別状のある重大な病気ではありませんが、その残っている動脈管の太さによっては他の心疾患につながってしまう可能性もあるのだとか。
当時のいくらちゃんの状況
38周4日、3130gという標準サイズで産まれたいくらちゃん。
母乳もよく飲み、毎日ちゃんと大きくなっていました。
心臓に異常が…と言われたのが入院2日目。他は特に異常なしの元気いっぱいの赤ちゃんです。
動脈管開存症の原因はよくわかりませんが、2000人に1人の割合くらいの疾患らしく、年間2〜3000人生まれる病院の助産師さんも何人かそう言われた子を知っていると仰っていました。
この動脈管開存症は、未熟児で産まれてきた子に見られるケースが多いのだそうですが、いくらちゃんは当てはまりません。
しかし、この疾患の疑いがあるからには注意しなきゃいけないことがあります。
それは、
体重を増やすことです。
心臓に負担がかかってしまうという話でしたが、赤ちゃんの小さい体と心臓は、小さければ小さいほどその負担が大きくなってしまいます。
なので、相対的に赤ちゃんの体を大きくすれば、血管が小さくなって負担も少なくなるというお話です。
体重についても、いくらちゃんの哺乳状況は良好で順調に増えていきました。
退院時の体重は3050gで出生時のマイナス80g。
退院時の体重は出生時の5〜10%減少するのが一般的なので、いくらちゃんはとても優秀。
助産師さんに話を聞くと、
動脈管開存症の子は飲む力が圧倒的に弱い。この子はちゃんと飲めてるし、絶対問題ないと思う!
そう言われていたので、少し安心はしていました。
入院4日目に、もう一度小児科の循環器を専門にしている先生が来て診てくれるという事だったので、
その診察が終わり次第先生と話す場を設けてくれることになりました。
入院4日目の診断結果
心雑音が聞こえなくなった。生後2〜3日で閉じていなくても、4日目で閉じる場合もあるから、きっと大丈夫でしょう。
と、循環器専門ではない先生には言われました。
なので、『ですよね〜♪』なんて安心しきっていたのですが
夜になり循環器の先生が診た結果は、
やはり動脈管は閉じていない。心雑音も聞こえてしまっている。
という事でした。
ここで、夜の9時半という遅い時間でしたがたっぷりと時間を取って病気について詳しく説明して下さったり、
こちらの質問や、少しでも心配になっている事を親身に聞いてわかりやすく答えてくださったりして、病気についての不安は完璧になくなりました。
大事なのは、今後どうしていくか。
先生からの提案として、
- まずは2週間検診で体重がしっかりと増えているかどうかチェック。
- その上で一度診察をしましょう
との事でした。
正直2週間も待てない…とも思いましたが、
逆に言えばそこまで心配する命に別状のある病気ではないという事です。
今、この記事を読んでくださっているのは大事な赤ちゃんが動脈管開存症の疑いがあると言われてしまった方だと思うのですが
安心してください。
この病気は命に別状があるものではありません。
少し成長して大きくなった時に、「運動すると疲れやすい」などの症状が出るかもしれないし、出ないかもしれない。
そんな疾患です。
しかも、疲れやすいなどの症状が出てきた場合かなりの確率で手術をしますが、(語弊はありますが)簡単な手術で終わります。
2週間検診
出産した病院で行われる2週間検診に行きました。
体重は、3524g。
日割計算で、1日29.6g増えています。
新生児の体重増加は1日平均30gで、1ヶ月後には出生体重プラス1000gが目安との事なので、いくらちゃんはド平均。
体重の増え方は問題ないという事で、小児科受診。
またエコーを受けます。
結果は、
やはり動脈管はまだ閉じようとしていない。けれど、ものすごく小さいもので、今すぐにどうこうという話ではない。突然容体が急変するというわけでもないが、「異常がある」という事は間違いないので、今後もフォローアップしていきましょう。次回は2ヶ月後、生後2ヶ月での状態を見させてください。
ということでした。
また、
動脈管がどうこうだからといって、予防接種などには全く問題ありません。
と、心配だった質問にも答えてもらい、この日は終わりました。
生後2ヶ月
あれ…?動脈管じゃなかったのかな…?
そう先生が言ったのは生後2ヶ月の時。
先生が言うには、今まで動脈管だと思っていたのはもしかしたら違う血管だったかもしれないとのこと。
動脈管開存症の疑いは極めて低くなりましたが、その代わりに心臓に異常な血管があるのは確かです。次回は3ヶ月後、生後6ヶ月で診させてください。
異常な血管…。
異常という言葉だけが頭の中に残り、グルグル回りました。
次の検診まで長いなぁという印象。
病名が付いていた方が安心できてしまうのはおかしいのかな?
心臓 異常 血管
こんなことばかり検索する毎日でした。
また、いくらちゃんは鼻が弱くてずっと鼻水が出ていたのでよく近所の違う小児科にも通っていたのですが、その先生に「気管支が弱い」とよく言われていました。
なので、それも心配で何か関係があるかと質問しましたが、そこに相関性はないそうです。
生後6ヶ月
心雑音が全く聞こえなくなっているね。
その一言から始まり、エコー。
この日は初めて夫も一緒に受診。
いつもより長めのエコーでビクビクしながらも、
やはり動脈管ではないですね。異常な血管はあるけれど、かなりの確率でこれは病的なものではないです。
そう言われたのです!
心雑音はただの一過性のもので、心臓に少し異常な血管があるだけで、そこに相関性はなかったと判断して良いでしょう。
でも、病的ではないといっても「異常」な血管があるんですよね?
なんて話をしたら、先生は
「異常」なんて言葉を使うからいけないですね。言い換えます。これは「個性」です。ちょっと心臓に個性があるだけで、後は元気な子ですよ。
そう話してくれました。
先生の「個性」という言葉で今までのモヤモヤがスッキリしました。
エコーが発達して見なくて良いものまで見えるようになってしまっている。全員の心臓をエコーしたらみんなにも異常が見つかるかもしれない。けれど、そんなことしてたらキリがない。病的なものでない以上、これは個性ですから、あまり気にしないでくださいね。
心から安心できました。
ただし、念には念のため。
一歳になったくらいで、もう一度診てみることにしましょうとのことで、次回は半年後になりました。
さいごに
ここまで読んでくださってありがとうございました。
いきなり、
☑︎赤ちゃんに心雑音が聞こえます
☑︎心臓に異常があります
こんなこと言われたら誰でもびっくりしますよね。
心雑音から本当に重大な命に関わるような疾患が発見されることもあるかもしれませんが、
私たちのケースのように「ただの個性」という診断がなされたという事実もあります。
心臓というのは、身近である癖に我々一般人からしたらあまり馴染みのない難しい臓器のお話です。
先生とお話する機会があるときには必ず質問事項をまとめておき、分からない事をそのままにしない事が一番大切だと思います。
アナタの赤ちゃんが元気で無事なことを心より祈っております。