STEM教育とSTEAM教育の違いは何?
STEM教育に「アート」が足されたのがSTEAM教育だよ。
本記事ではSTEAM教育とSTEM教育の違いを詳しく解説しています。
- STEM教育の意味は?
- STEAM教育とは
- STEM教育とSTEAM教育の比較
最近よく【STEM教育】とか【STEAM教育】という言葉を耳にしますよね。
これらはどちらも理系科目の強化を目標にしているという点では同じです。
しかしそれだけではこれからの時代に合わないとSTEM教育に【アート分野・芸術分野】を足して考えられたのが【STEAM教育】です。
理系科目にアート?よく分かんない!
この記事を読めばその疑問が解決するよ!
- STEM教育とSTEAM教育の違い
- STEM教育とSTEAM教育はどっちをやれば良いの?
- STEM教育とSTEAM教育の始め方
STEM教育とは?
STEM(ステム)教育とは、以下の単語を組み合わせた教育モデルです。
S Sciencce(科学)
T Technology(技術)
E Engineering (工学)
M Mathmatics(算数)
みて分かる通りSTEM教育とはイコール理系科目のお勉強です。
いわゆる⦅理系⦆に育てるってこと?
みんながイメージするいわゆる⦅理系⦆とはちょっと違うかな。
従来の学習プログラムでは、算数といえば算数だけ。理科といえば理科だけ。理系選択しないと学ばない内容がある…と言ったように、縦割りの教科領域しか学ぶことが出来ませんでした。
しかし、STEM教育は科目横断型の学び。
科学・技術・工学・数学それぞれを独立したものではなく一緒に学びます。
例えば久留米工業大学のHPで紹介されていた【ガラケーとスマホ】を例に挙げてみますね。
ガラケー時代の売り文句と言えば
- カメラの画素数がアップ!
- 電池長持ち!
というものでした。
各分野のスペシャリストが自分だけの分野の研究・開発しスペックの向上を果たしていた成果を強調していたのです。
対して現在のスマホの売り文句といえば
- アプリとカメラの連携が取れてこんな機能が増えました!
- AIが皆さんの代わりに◯◯を自動でします!
このような感じ。
各分野のスペシャリストが他分野の知識をある程度持ってお互いのスペシャリストと連携しあって総合的な技術の発達が見られます。
これからの時代に求められているのはどちらでしょうか?
スペックだけを伸ばすことよりも、
- この機器で何ができるか
- これを使うことによって何が便利になるのか
という総合的な技術の向上の方が求められているのは言うまでもありませんよね。
つまり、従来の科目ごとに分断された学びでは現代社会のニーズに応えられないのです。
現代社会が求めているものは、科目を横断型に学んだ理系のスペシャリストなのです。
久留米工業大学HP
STEM教育の目的とは
科学とか工学とか難しそう…うちの子には関係ないかもなぁ〜
STEMをこんな風に考えてみて!
確かに、科学・技術・工学・算数と言われると難しい印象を受けますよね。
なので、このように考えてみてください。
S(科学)=「なんでそうなるの?」身の回りの不思議を探す力
T(技術)=自分の頭の中を整理して客観視する力。倫理的思考
E(工学)=世の中にあるものの仕組み・中身に気づく力
M(算数)=物事の本質を見出し、その構造を考える力
私たちの身の回りは科学現象であふれています。
普段座る椅子や机が壊れないのだって、壊れないように誰かが計算して設計して作っているからです。
このように、STEM教育の本質って身近な世界の不思議を見つけて自分の頭でなぜ?と考えることだと思うのです。
世の中が便利になればなるほど、その中にある原理は見えて来なくなります。
日々の生活の「当たり前」を当たり前とスルーして終わるのではなく突き詰めて理解しようとする姿勢こそがSTEM教育なのだと私は考えています。
STEAM教育とは
STEAM教育とは、STEM教育に「A=Art(芸術)」を足した教育モデルのことです。
つまり、理数系教育とアートを掛け合わせたのがSTEAM教育と言われています。
アート…芸術?
理系の人は絵も上手に描けなきゃいけないってこと?
アートって、絵を描く、彫刻するという意味だけじゃないよ!
Artは日本語で芸術と訳されますが、実はもっと広い意味があります。
それは、新しい視点を生み出す(創造力)ということ。
つまり、STEAM教育の本質とはSTEM(科学技術の知識を得る)+アート(新しい価値を生み出す)という【知る】と【創る】の循環なのです。
STEAM教育が今必要とされている理由
STEAM教育が従来のSTEM教育と1番違う点は【創造力】。
この【創造力】こそ今の社会に求められているものだよ!
というのも、日本の労働人口のうち49%がロボットに代替可能という試算が出ているからです。(野村総研『日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に』)
あえて強い言葉で表現すると、流れ作業や単純な仕事しか出来ないとAIに使われる人間になります。
しかし、自ら何かを作り表現するスキルを持った人材はAIを使う人間になります。
STEAM教育で創造力を身に付けた子供はもちろん後者になるでしょう。
【比較】STEM教育とSTEAM教育
STEM教育とSTEAM教育の異なる点は以下の2つです。
- A(芸術分野)があるかどうか
- 主観があるかどうか
STEM・STEAMの違い①芸術分野の有無
STEM、 STEAM教育の大きな違いは【Aがあるかどうか】。
つまり、創造力を重視するかしないかです。
理数科目にアートを足す事によってSTEM教育では導き出せない新しい解決策が生み出せると考えられています。
STEM・STEAMの違い②主観があるかどうか
STEM教育では、あるゴールへと向かう解決策こそが重視されています。
あくまで大事なのは問題を解決することであって、個人の考え方や感情は考えられていません。
対して芸術分野が足されたSTEAM教育では1つの解決策に向かって【どう考えるのか】という個人の主観が重視されています。
決まった答えを正しい方法で探すというよりも、学習者が自分の課題やテーマを設定し、自分なりの答えを見つけ出すというプロジェクト型の学びです。
問題解決というプロセスの中で個人の意思や気持ちが入ることで、より柔軟に、そして新しい価値を生み出せるのです。
STEM・STEAMの共通点
- 芸術分野があるかどうか
- 主観的かどうか
という違いはあるものの、各分野の頭文字を取って名付けられているだけで実は基本的な教育方針は特に変わりません。
STEM・STEAM教育の共通点
- 科目横断型でジャンルを超えた共同研究を重視
- 問題解決を目指す
- 新しい価値創造を目指す
いずれも現代社会に必要とされる人材を育てることを目標としています。
現在、従来の科目型の学びではなく各教科で学んだ事を総合的に繋ぎ合わせる能力が求められています。
今社会に必要なのは、お勉強ができる【頭の良さ】ではなく様々な知識を使って問題を解決し、新しい価値を創造できる人材。
一つの科目だけ極めても視野の狭いものしか出来ません。
色々な科目を結びつけて学ぶことで、実社会に役立つ新しいアイディアが生まれてきます。
これからの時代に必要なSTEM・STEAM教育
- STEM教育をブラッシュアップしたのがSTEAM教育
- STEM・STEAMの違いは【芸術】と【主観】
- 基本的な教育方針は両者あまり変わらない
STEM・STEAM教育というワードが最近話題になっています。
その理由は、これらが新しい時代を生きるための力を身に付ける新しい教育法だからです。
近年小学校でプログラミングの授業が始まったりと、日本でもSTEAM教育が推進され始めています。
文部科学省
幅広い分野で新しい価値を提供できる人材を目指すSTEM・STEAM教育。
新しい時代を生きる我が子に学ばせたいものですね。
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